2014年11月17日

 俺が料理でやらかしたランキング、ベスト3


第3位
豚の角煮



あれは大学1年の頃、寮生活で暇をもてあました男達は、手間のかかる料理を作ろうと思い立った。早速料理のアイデアを出し合う男達だが、当時の寮にはネットがなく、男所帯には料理本など存在しない。さらに寮の設備上、揚げ物系は無理で、可能な手間のかかる料理といえば煮込みものばかりであった。そこで真っ先にあがったのが豚の角煮である。


豚の角煮。(多分)沖縄発祥の料理で、角切りにした豚肉を、しょうゆやみりん等で甘辛く煮込んだ料理だ。はしで切れるほどにやわらかく煮込まれた角煮は、口に入れれば噛むまでもなくとろけ、ごはんがいつもの3倍(当社比)は進む素晴らしい料理である。しかも特別な材料は必要なく、豚肉と調味料と鍋さえあればできてしまうというお手軽具合、というのが当時の俺たちの認識である。


さっそく材料をそろえ、意気揚々と料理をする男たち。豚のすね肉を鍋に放り込み、しょうゆとみりんと砂糖を適当にぶち込み、ふたをして煮込む。終了。無論分量などまるで量っていない。そもそも分量がどの程度が正しいのか、見当すらつかないのである。手間をかけて料理を作るとはいったいなんだったのか。ダークマターの仕込みを終えた男達は、3時間後にやわらか角煮が出来上がっていると確信し、部屋に戻って麻雀を始めるのだった。


3時間後。期待に胸を膨らませ、腹はへこませた男たちがキッチンに戻ってくる。彼らを迎えたのは、甘辛い角煮の食欲をそそる香りではなく、炭の香りであった。まったく水の分量など考えず、しかも3時間の間一度も水かさを確認しなかった結果、豚肉もしょうゆもみりんも全てが炭とかした。正直火事にならなくて幸運である。


こうして、手間をかけるというコンセプトの元作られた手抜き料理は、うまいまずいの土俵にすら乗ることが出来ず、しずかに三角コーナーに消えていった。




 





第2位
味噌汁の爆発煮


圧力鍋というものを知っているだろうか。  
こんなのである。



これは過熱した際に膨張した空気を閉じ込め、鍋の中を高圧力にする。それにより、すばやく食物に火を通すことが出来るという優れた調理具だ。特に煮込みに時間がかかる料理に威力を発揮する。たとえば豚の角煮。


友達の家で泊り込みで遊んでいたとき、俺はそれを発見してしまった。今まで使ったことの無い調理器具。俺の中の好奇心が抑え切れなくなってしまった。

その日の朝食の担当は俺。朝食で圧力鍋を使うような料理は無い。この鍋を使ってみることは出来ないか・・・。・・いや、一つあるではないか。
味噌汁が。


そして、俺は味噌汁を圧力鍋で作り始めた。具は油揚げとわかめと豆腐。ますます圧力鍋の意味は無い。しかし俺の中では、この魔法の鍋でなんてことは無い味噌汁が、素晴らしい料理に生まれ変わるのが見えた。だしと具を入れて煮詰める。味噌は煮立てると風味が飛ぶから、食べる直前に入れるんだぜベイベ。乏しい料理知識を
120%に生かして調理を進める。さて、圧力鍋様で煮込んでいることだし、煮込み時間はいつもより短めでいいか。

というわけで空ける。ちなみになんとなくわかると思うが、圧力鍋というのは蓋を開ける前に圧力をぬかないといけない。中は高圧の空気が閉じ込められているので、まずは専用の出口から圧力をぬいてやらないといけないのだ。・・・とまぁ、これはこのときの失敗により学んだ知識である。

結論から言うと爆発した

わかめと豆腐とあげが、天井に到達するほど爆散した。なお、人の家である。


その日の朝食は、ご飯と納豆と漬物であった。





第1位
卵の塩辛いため



第1位なのに恐縮なのだが、これは正確には俺の料理ではない。俺の大学の友人の料理である。

大学生というものはとかく貧乏である。そのくせ飲み会だの趣味だのには、湯水のごとく金を使う。無論そのあおりを食らうのは普段の生活費であり、特にわかりやすく削られるのは食費である。食費を節約といえば自炊であるが、実際のところ一人で自炊すると非常に効率が悪い。どうがんばっても材料があまる。

そこで、金に飢えた大学生たちは、その身を寄せ合って助け合うのである。皆で集まって材料を持ち合い、自炊する生活のスタートである。一人暮らしになれた野郎どもの自炊能力は意外なほど高く、調味料や調理器具のそろった寮という環境も手伝って、毎日十分贅沢な料理が振舞われた。

金を節約できて、バランスのいい食事が出来て、食事が終われば遊び相手までいる。素晴らしい共生生活である。しかしそこはネタにまみれた大学生のやろう共、何の事件も起こらないわけがなかった。


その日の夕食は炒め物。野菜と卵を絡めて、砂糖と塩で甘辛く炒めようというのだ。砂糖と塩といえば、それぞれ甘いもの・辛いものの代表格だろう。しかし同じような調味料だが、大きな違いが一つある。それは塩のほうが圧倒的に味が強いということだ。同じ量だけ砂糖と塩を入れると、とてつもなく塩辛くなる。つまり甘辛くしようと思ったら、砂糖を多めに入れないと駄目ということだ。


長い一人暮らしにより、みなそんなことは経験的に知っている。だから砂糖をがっつり、塩をちょっぴりいれる。何も間違っていない。間違っていたのは砂糖と書いてある容器に塩が入っていたことだ。


偉いことになった。

卵が辛さを中和してくれてるはずなのに、まるで食えたものではない。あまりにもどうしようもないので、料理そのものをざるに入れて水洗いし、砂糖を入れて再加熱しても辛かった。この上でさらに卵を追加投入して、何とか食えるレベルになった・・・。


後でわかったことだが、砂糖と書いてある容器には確かに砂糖が入っていた。ただし厚い塩の層の下にである。
誰かが調味料を補充したときに間違えたのだろう。酷い話である。


ここまで書いてみて思ったが、第一位って別に誰も失敗していなかった。失敗したのは塩を補充した奴である。あまりにもしまらないが、今更書き直すのは面倒なのでこのまま投稿する。





aocaoc at 21:35│コメント(0)雑記 

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